はっきり言います。塗装歴23年の僕が思う「同じ金額でも仕上がりや耐久性に差が出る理由」
前回の記事では、塗装工事で現地調査がどれだけ大切なのかを書きました。
今回は、お客様からよく聞かれることについて、現場目線で書きたいと思います。
「同じ外壁塗装なのに、なぜ会社によって金額が違うの?」
「同じくらいの金額なら仕上がりも同じじゃないの?」
という疑問です。
はっきり言います。
塗装工事は同じ100万円でも、中身がまったく違うことがあります。
なぜなら、お客様から見えない部分に一番差が出る仕事だからです。
例えば料理で考えてみてください。
同じ材料を使って、同じレシピを見ても、プロの料理人と普段料理をしない人では仕上がりが変わります。
なぜでしょうか。
材料だけでは料理は決まらないからです。
下準備、火加減、タイミング。
見えない小さな積み重ねが最後の味になります。
塗装もまったく同じです。
「同じ塗料を使っています」
これだけでは同じ工事にはなりません。
実際、現場ではこういうことがあります。
外壁を触ると白い粉が手につく状態。
これはチョーキングといって、塗膜が劣化しているサインです。
この状態で、ただ上から良い塗料を塗れば長持ちするでしょうか。
答えは違います。
どれだけ高級な塗料を使っても、下地が悪ければ本来の性能は発揮できません。
大切なのは、
しっかり洗うこと。
傷んだ部分を直すこと。
その家に合った下塗り材を選ぶこと。
メーカーが定めた塗布量や乾燥時間を守ること。
この当たり前の積み重ねです。
でも、この部分は完成した時にはほとんど見えません。
正直に言えば、塗った直後なら差が分かりにくいこともあります。
綺麗になった。
色が変わった。
それだけなら多くの会社ができます。
本当の違いが出るのは3年後、5年後、10年後です。
僕が23年間この仕事をしてきて感じるのは、
「良い塗装工事ほど見えない部分に時間を使っている」
ということです。
ひび割れ補修。
コーキング処理。
ケレン作業。
下塗り。
細かな確認。
完成写真では伝わりにくい部分ほど、本当は大切だったりします。
では、お客様はどうやって判断すれば良いのでしょうか。
まず見積書です。
「外壁塗装 一式」
これだけでは、どんな工事をするのか分かりません。
どんな下塗り材を使うのか。
コーキングは打ち替えなのか、増し打ちなのか。
付帯部分はどこまで施工するのか。
なぜその塗料を選んだのか。
そこを説明できる会社なのか確認してみてください。
そして、ぜひ聞いてみてください。
「なぜ、この塗料がおすすめなんですか?」
「なぜ、うちの家に合っているんですか?」
高い塗料だから良い。
有名な塗料だから良い。
そうではありません。
家によって正解は違います。
外壁材、屋根材、劣化状態によって選ぶものは変わります。
本当に家のことを考えている会社なら、理由を説明できるはずです。
そして、もう一つ確認してほしいことがあります。
それは、
「実際に誰が施工するのか」
ということです。
外壁塗装は会社と契約します。
でも、実際にあなたの大切なお家を塗るのは現場に立つ職人です。
その職人さんは経験何年なのか。
どんな現場を経験してきた人なのか。
ここまで気にされる方は少ないです。
もちろん経験年数だけが全てではありません。
若くても丁寧で素晴らしい職人さんはいます。
ただ、塗装という仕事は現場でしか身につかない経験があります。
外壁の状態判断。
塗料の扱い。
気温や季節による施工判断。
細かな仕上げ。
こういった部分は経験によって差が出るところだと思っています。
そして少し現実的なお話をします。
良い工事には適正な人件費も必要です。
例えば同じ100万円の工事でも、
何日間施工するのか。
何人の職人で作業するのか。
どこまで手をかけるのか。
ここで内容は大きく変わります。
下地処理を丁寧にする時間。
細かい部分を確認する時間。
最後の仕上がりを見る時間。
すべて職人の手間です。
外壁塗装は工場で作られる商品ではありません。
人の手で作り上げるものです。
だから僕は、塗料の名前や保証年数だけではなく、
「誰が、どんな想いで施工するのか」
ここを大切に見てほしいと思っています。
安いから悪い。
高いから良い。
そういう単純な話ではありません。
ただ、その金額の中に、良い仕事をするための時間と内容がしっかり含まれているのか。
そこを見てほしいと思います。
23年間、現場に立ってきたからこそ思います。
塗装工事は完成した瞬間ではなく、何年後かに本当の答えが出る仕事です。
だからこそ、一軒一軒、その家にとって正しい工事をすること。
それが一番大切だと思っています。
次回は、「保証があるから安心?本当に見るべき保証の内容」について、現場で感じてきたことを書いてみたいと思います。

